Ⅰ繊維とⅡb繊維の違いと鍛え方|理学療法士が解説

健康

筋肉は「Ⅰ繊維(赤筋)」と「Ⅱb繊維(白筋)」の2種類に大きく分けられます。それぞれの性質を理解し、目的に応じて鍛え方を変えることで、より効率的なトレーニングやリハビリが可能になります。本記事では、理学療法士の視点から両者の違いと鍛え方のポイントを解説します。

Ⅰ繊維(赤筋)とは

Ⅰ繊維は持久力に優れた筋線維で、姿勢保持や長時間の運動に関与します。特徴は以下の通りです。

  • 収縮速度:遅い(スロータイプ)
  • 疲労しにくい
  • 有酸素代謝が中心
  • 毛細血管やミトコンドリアが豊富
  • 赤色(ミオグロビンが多い)

つまり、低強度・長時間の活動に強く、姿勢筋や抗重力筋に多く分布しています。

Ⅱb繊維(白筋)とは

Ⅱb繊維は瞬発力に優れた筋線維で、短距離走やジャンプ動作など短時間の高強度運動に関与します。特徴は以下の通りです。

  • 収縮速度:速い(ファストタイプ)
  • 疲労しやすい
  • 無酸素代謝が中心
  • ミトコンドリアが少ない
  • 白色(ミオグロビンが少ない)

Ⅱb繊維は一気に大きな力を発揮できる反面、疲労が早く、持久力には不向きです。

Ⅰ繊維とⅡb繊維の比較表

特徴 Ⅰ繊維(赤筋) Ⅱb繊維(白筋)
収縮速度 遅い(持久型) 速い(瞬発型)
疲労しやすさ 疲れにくい 疲れやすい
エネルギー代謝 有酸素性 無酸素性
ミトコンドリア 多い 少ない
主な働き 姿勢保持・持久運動 瞬発運動・筋力発揮
主なスポーツ例 マラソン・ウォーキング 短距離走・ウエイトリフティング

Ⅰ繊維の鍛え方

Ⅰ繊維を鍛えるには、低負荷×高回数のトレーニングが効果的です。筋持久力を高め、姿勢保持力の改善や長時間活動に強い身体を作ります。

  • チューブトレーニング(15〜20回 × 3セット)
  • 軽負荷スクワット
  • 長時間のウォーキングやエルゴメータ運動
理学療法士のポイント:Ⅰ繊維は抗重力筋(脊柱起立筋、大腿四頭筋など)に多く、リハビリでは筋持久力や姿勢制御の改善を目的に刺激します。

Ⅱb繊維の鍛え方

Ⅱb繊維を鍛えるには、高負荷×低回数が基本です。筋力・瞬発力の向上を目的とするトレーニングで刺激されます。

  • レッグプレス(8〜10回 × 3セット)
  • スプリントやジャンプトレーニング
  • 階段ダッシュなど短時間高強度運動
理学療法士のポイント:Ⅱb繊維は不使用によって萎縮しやすく、廃用症候群の患者では特に弱化します。そのため、段階的にⅡb繊維を再教育するプログラム設計が重要です。

まとめ

Ⅰ繊維とⅡb繊維は、それぞれ「持久力」と「瞬発力」に特化した役割を持ちます。どちらか一方だけでなく、バランスよく鍛えることが理想です。 次回は美尻の作り方を理学療法士の目線から説明させていただきます。

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